
モラハラというのは実は非常に不気味な特徴があるということをご存知でしょうか。
それは被害者もまわりの人間も、さらに言えば加害者もそれがモラハラだという認識がないということなんです。
夫婦や親子といった閉じられた関係の中で、誰も気づかない間に被害が深刻化していく。そして、そういう家庭環境で育った子供たちの心理面に深刻な影響を及ぼしてしまって、新たなモラハラ加害者やモラハラ被害者を生み出すという形で被害が連鎖してしまうという、恐ろしい影響を及ぼすのがモラハラです。
この連鎖をどこかで断ち切らなければなりません。
そのために必要なことは何でしょうか。それはまず、自分が被害者だと気づくということなんです。
「いや、そんなの当たり前でしょ」と思いますよね。それはモラハラを理解していない人の考え方です。
モラハラというのは被害にあっていること自体に気付きにくい特徴があります。
実際私もモラハラだと気がついたのは結婚して10年が経った頃でした。自分がモラハラ被害にあっていると気づいた時にはもうかなりすでにダメージを受けてしまっているかとおもいます。
そこでこの記事では、モラハラ夫の特徴について解説します。
この記事を読むことで、モラハラ夫の特徴を理解し、自分がモラハラにあっているのかどうかということが判断できるようになります。
モラハラ夫の心理を理解することで、人生の方向性を判断する物差しを手に入れることができるはずです。ぜひ最後までお付き合いください。
この記事の目次
モラハラ夫の特徴
まずはモラハラ夫の特徴をおさえましょう。
モラハラ夫の特徴1
モラハラ夫の特徴はものすごく似ていること。ざっと挙げるとこんな感じです。
不機嫌を態度で示しめします。
例えば・・・・
・無視する
・ため息や舌打ちをする
・食事に手をつけない
・わざと大きな音を立ててドアを閉める
などです。
家事の不出来を次々と指摘して皮肉や嫌味を言ったり、妻の間違いや物忘れを強く攻めて延々と説教したりします。
何かやれば、なぜやったんだと言うし、やらなかったらやらないで怒られる。正解がないんです。
そして妻の人格を否定するような発言もします。こんなことも分からないのかとか、お前はダメな人間だとかですね。
それから、自分の過ちを決して認めずに平気で嘘をつきますし、何でも妻のせいにします。
例えば・・・
「俺がそうするようにしたお前が悪い」
「お前のせいでこうなった」
「お前なんかと結婚したから俺は不幸」
「お前の為を思って言ってるんだ」
というような発言ですね。
それから、束縛が強い。
例えば、行動やスケジュールを監視する、あるいは妻の実家や友人の悪口を言って実家や友人と接触するのを嫌がります。
それから、経済的なことで言うと、
「誰のおかげで生活できてるんだ」という発言とか、生活費を入れない仕事を辞めさせる、あるいは配偶者が仕事をすることにいい顔をしないということがあります。
そして、自分の買い物には甘いけれども、配偶者の買い物には厳しく目を光らせるということもありえます。
私もこれらの言動を経験したので、思い出すだけで当時の辛さが蘇ってきます。
いろいろ言ってきたんですが、これらはすべてターゲットとの間に上下関係をつけて逃げられなくした上で蔑んで痛めつけるという方法の具体例なんです。
誰のおかげで生活できるは私も言われました。
モラハラ夫の特徴2
モラハラ夫にはこんな特徴もあります。
外面的にはいい夫、いい親、仕事ができる人間であることも多いです。それから、すごく優しい時もあるということなんですね。
いつでも厳しいことばかり言ってたらもう早く離れようと思いますけれども、優しい時もあったり、いい面が出ることもあるわけですから、なかなか離れられないわけです。
優しい面も知っている妻たちは、本当はいい人なんだから、自分にも悪いところがあるからという風に思ってしまうんですね。そして、周りの人間もモラハラに気づかない、そういう構図です。
むしろ、もう被害者である妻の中には「この人を理解してあげられるのは私だけ」というふうに、被害者が理不尽な攻撃を受け止める自分に価値を見出してしまったり、あるいはその相手の機嫌が良くなったと言う数少ない成功体験を探して、もっと気にいられるように頑張ろうというふうにチャレンジしてしまう人もいます。
私もチャレンジしてしまいました。おかげで逃げ出すのにものすごい時間がかかってしまったんですよね。
こんなチャレンジはモラハラ夫にとってみれば、全く無駄な努力なのですが、被害妻たち自身が被害に気付かないという重大な影響が出てしまうんです。
モラハラ夫はこういう被害者にうってつけの人物をターゲットにして攻撃を仕掛けてくるということを忘れてはいけません。
とはいえ、誰もが過去に誰かに厳しく当たったり、ひどいことを言ったり、不機嫌な顔をしたことはあるかと思います。仏様のようにずっとニコニコご機嫌にしていられる人はいないはずです。
なので、誰にでも先にあげだモラハラ夫の特徴に程度の差はあれ、経験したことがあると言えるんです。
でもモラハラとそう言った一時の感情で出た攻撃とは決定的な違いがあります。
モラハラというのは夫婦という閉じられた関係の中で、密かにアメとムチを繰り返しながら継続して、陰湿に行われ、そして精神を破壊する暴力だということなんです。
モラハラ夫の心理
モラハラ夫の心理を紐解いていきましょう。
なぜモラハラ夫は永遠の愛を誓いあったはずの大切な人の精神を痛めつけるような攻撃を仕掛けてくるんでしょうか。
大切なものをいじめたくなるのは幼少期の育ち方が影響しています。具体的には親から愛されない育ち方をした人にこういう傾向があるというふうに言われています。
モラハラ夫が育った環境
モラハラ夫が幼少期に過ごした家庭環境が悪いと、大人になってモラハラをするようになる傾向があります。
家庭環境が悪いというのは、親がいつも機嫌が悪く、いつも叱られたり、暴力を振るわれたり、条件付きの愛情しか与えられない幼少期を過ごすということです。
常に親の顔色を伺わなければいけないわけですから、常に不安を抱え、本来の自分に自信がなくなります。そして親の愛情を得るために親の望む姿、いわゆる優等生を演じる良い子でいることによって愛されようとするんですよね。
でもありのままの自分では親に受け入れてもらえない。承認してもらわないとどうなるでしょうか? これはありのままの自分には価値がないという自尊心の低い大人になりがちなんですね。
すると、自分に価値を感じるために賞賛されたい、愛情をもらいたいという他者からの評価に強くこだわるようになります。そして優れた理想的な人を演じることになります。でも他者からの賞賛なんてそう簡単に得られるものではありません。
SNSでみんながいつでもいいねをつけてくれるわけではありません。誰しも仕事もプライベートも一生懸命頑張っていることでしょうが、そうそう常に褒めてもらえるわけじゃないです。みんな自分のことでいっぱいいっぱいなんですからね。
そうすると、そのままでは低い自尊心を回復することができず、劣等感や不安感を常に抱えていくことになりますので、手っ取り早い方法として絶えず自分より低い立場のものを作って、その人をいじめることで自分の方が偉い、自分の方が上だという関係を築こうとします。
そうやって自尊心を満たそうとするんです。
要は愛情を受けずに育った結果、自尊心が低い大人になってしまって、賞賛を得るために無理していい人を演じるんですが、それだけでは満たされないので、手軽に自尊心を満たす方法として身近で自分より低い立場の人をターゲットにしていじめたり傷つけたりすることで、自分のこわれそうな自尊心や不安の心や劣等感という感情を満たしているということになります。
可哀想な幼少期を過ごしたことには同情しますが、だからと言って他人を傷つけていいわけではありません。
こういう人と一緒に生活をし続けるのは非常に危険だということになります。あなたの自尊心だけでなく、大切な子どもたちの心も大きく傷ついています。
モラハラの被害に気付いたら、とにかくすぐに逃げることが大事です。
モラハラ夫のターゲットにされる人の特徴
モラハラ夫はモラハラしていい相手を本能的に見つける天才です。
モラハラする夫が100%悪いのですが、そんなモラハラ夫のターゲットになってしまう妻たちの特徴やその心理ついて深堀りしてみましょう。
モラハラのターゲットになりやすい人
モラハラ夫は、自尊心の低さや劣等感、不安感を抱えており、身近な配偶者を攻撃することで自分が優れていると実感しようとします。
モラハラを受ける人は、自己主張が苦手で素直で欲がなく、他人への配慮ができる傾向があります。これによって、攻撃されたことに対して素直に受け入れ、自分はダメな人間だからもっと頑張らなければと思い込んでしまいやすいのです。
モラハラを受ける妻たち心理
モラハラを受ける妻たちは、自分に問題があるのではないかと考え、努力し改善しようとします。しかし、モラハラ夫の目的は妻を攻撃して操ることです。妻がモラハラ夫の要求に応えようとする努力がむしろ、モラハラ夫の要求をエスカレートさせることにつながります。
被害者は、モラハラ夫に心理的に依存しており、自分が悪いから攻撃されているのだと信じ込んでしまうことがあります。
モラハラ夫の対処法とモラハラの解決方法
モラハラする夫とされる妻の特徴がお分かりいただけたかと思います。
それでは、モラハラ夫の対処法はどのようにしたら良いのでしょうか。また解決方法はあるのでしょうか。詳しく解説していきます。
モラハラされる被害妻の対処法
モラハラ夫は自分だけが正しく、他人は間違っていると考える傾向があります。そのため、モラハラ夫の考えを変えることは難しいです。
モラハラの解決策は、最終的には逃げること、つまり別居や離婚です。しかし、逃げる前の段階でも被害に気づくことはできます。自分が悪いという前提を変え、攻撃をしてくる相手の精神的な脆さを疑ってみることが大切です。
自分の存在価値を認め、相手の攻撃に飲み込まれず、冷静に立ち向かうことが、モラハラ被害から抜け出す第一歩となるのです。
モラハラ夫への対応
何度も言いますが、モラハラ夫は「自分だけが正しく、他人は間違っている」と考えています。そのため、モラハラ夫を変えることは難しいです。というか無理です。
モラハラの解決策は最終的には逃げることしかありません。ですが妻たちがモラハラを受けていることに気付く前の段階で何かできることはないだろうかと思います。
出発点は、自分が悪いという前提を変え、自分と相手を客観的な視点から見る癖をつけることです。モラハラをしてくる相手は理不尽な理由で攻撃をしているだけで、あなたに問題があるわけではありません。
自己受容と冷静な視点を持つことで、相手の攻撃に立ち向かい、モラハラ被害から抜け出す第一歩が始まると思います。
モラハラの問題解決と改善方法
モラハラは深刻な問題であり、環境によっては将来のモラハラの連鎖を生み出してしまう可能性もあることを忘れてはいけません。
もしお子さんがいれば、「子どもが成人してから・・・」などと言っていないで、できるだけ早く別居や離婚に踏み切ってもらいたいです。
解決策は逃げる。これしかありません。
理解ある第三者に相談する
なぜ人に相談することが大事なのか。
これはモラハラを受けている被害者は第三者との関係を遮断されていることが多いからです。
モラハラ夫は妻の親族や友人のことを悪く言う傾向があります。
お前の実家は最低だ、あの友人は最低な人間だ、今後関わるなというような形で関係を遮断してしまう。そうやって自分の支配下に置くというのがモラハラ夫の常套手段なんです。それをされた側の人は夫以外の人に相談できないので、判断基準がモラハラ夫しかなくなります。
私の場合あからさまに悪口を言うより、態度で示されましたね。遠方の地元の同窓会に参加したいといえば不機嫌になり、実母が家に来れば不機嫌になっていました。
相談するのは理解ある第三者に相談しましょう。
これはモラハラは理解されにくいからです。モラハラは家庭内の出来事です。目に見える傷も残らないんですよ。しかもモラハラ夫は外面がすごくいいので、対外的には良い人を演じることが巧みです。
なので、誰かに相談しても、あんな優しいご主人が起こるなんて、あなたにも悪いところがあるんじゃないの?という風に逆に見当違いのことを言われてしまって、さらに傷が深くなってしまうことが起こりえます。
いわゆる二次被害というやつです。
場合によっては弁護士や調停委員のように司法関係者でもモラハラに対する理解がない人というのがいます。そうすると、それはいわゆる「性格の不一致」でどの夫婦にもあることですとか、まあそういう見当違いのことを言われてしまうんです。
そうすると相談したのに理解してもらえなくて逆に説得されてしまって被害を認識できないということになってしまいます。
私はこともあろうか、義理の姉(夫の姉)の相談してしまいました。今思えば絶対にダメですよね。返ってきた答えは「どこの夫婦もそんなもんよ。私はもっと辛い目に遭ってきた」でした。
だから必ずモラハラに詳しい専門家や、自分の絶対的な味方だと言える人に相談するようにしてください。
まとめ
モラハラ夫の特徴とモラハラ夫の生い立ちに原因があるっこと、モラハラを受けてしまう妻たちの特徴について記事にしました。
思い出すだけで本当に辛かったなと思います。なので、今辛い思いをしていてこの記事を読んでいる方は、まず、自分の感情に素直になってください。
モラハラ夫の言動に漠然としたモヤモヤを抱えている、いつも暗い気分になる、なんだか幸せを感じられない、そういう方がこの記事を通じて、モラハラ被害に気づくきっかけにしていただければとても嬉しいです。
そして被害を認識できたから具体的にその被害を抜け出す方法に意識を向けてください。